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7.5「ピースウォーク」取材、現場最前線で見た光景(2)

デモ参加者が機動隊の前でこれ見よがしに玩んだピーポくん人形

「デモ隊のかたは前に進んでください」
「ふざけんじゃねーよ! お前らが進めなくしたんじゃねーかっ!!」
「帰れ! 帰れ! 帰れ! 帰れ!」

 交差点の手前で運転手を含めた乗員3人全員が逮捕されてしまい、動くに動けなくなったデモ隊先導トラックの前で、いかにも訳も分からず単に動員でかり出されただけという感じの制服警官が、この場の状況を全く読めていないような呑気な声で言ったりしたんもんだから、興奮しきったデモ隊参加者たちはますます神経を逆撫でされ、事態はさらに泥沼化していたという7月5日午後4時10分過ぎなのであった。そうこうするうちにトラックの荷台上には警官たちがどしどしと上がり込み、その周囲を機動隊員たちが着々と取り囲んでいく。

 すでにトラックから降りていた私は、戻って再び荷台に取り付こうとした途端、「はい、危ないですから下がって下がって!」と、またまた後ろから機動隊員に背中のディパックを引っ張られた。
「誰が危ないんだよ」と思わず言った。「そもそも目の前にいるのってお前らの仲間ばっかりだろうが!!」

 ついでに小突いてやろうかと思ったが、それは思いとどまった(ことが結果的によかったと後で判明する)。しかしこうなったらもう、見晴らしのいい広い交差点なんだから、いっそのこと「市街戦」に持ち込んじゃったほうがいいのではないかとも個人的には思ったくらいだ。幸い人数的には警官よりもデモ隊のほうが多いし、しかもガイジンの強そうなのも一通り揃っている。

 しかしながら、スタート当初からトラック周辺の一番騒がしい集団をしっかりフォローしてきたデモ主催者側のスタッフたちは、実に敬意を表すべきことに、こうした混乱状況下でも極めて冷静に対処していた。警察側に対して激しく詰め寄りながらも決して感情的にはならず、しばし交渉しては振り返って「はい、ここはまず押さえて押さえて!」「ひとまず前へ動いて!」といった感じで、懸命に状況の沈静化に努めていた。

 その甲斐あってか、騒ぎがおっ始まってから十数分後、デモ隊は元通り派手に楽器を鳴らしながら、すぐ目の前に迫っていたゴールの中島公園に向かって進みだした。
 もちろん、トラックはその場に停まったままだ。ふと見ると、運転席のすぐ下の路上には粉々に砕かれた窓ガラスの青い破片が散らばっていた。つまり警察はガラスをぶち破って運転席に突入したのだ。

 中島公園の入り口も、青いヘルメットと白銀の盾の列で固められていた。が、公園の中まではさすがに彼らも入ってこない。

 全身を黒いコスチュームで目元まで覆った参加者は、デモの間ずっと手にしていた「ピーポくん」(警視庁公式認定マスコット)人形を機動隊や警察の前でぶら下げてからかっていたが、公園に入るや、とうとうそれを足元において蹴りだした。転がってきたピーポくんを、参加者たちがサッカーのパスまわしよろしく蹴りまわす。一度だけ私の足元にも転がってきたので、思いっきり先まで蹴り飛ばしてやろうとしたが、カメラで撮影しながらの体制では上手くいかずにあえなく空振り。こういう時は取材者って不利だなと思う。

 終着点の広場まで到達するや、とうとうピーポくんの「公開リンチ」が始まった。蹴るだけでなく、踏んづけたり水をぶっ掛ける者も出るなど、警察への怒りをまさに文字通り「踏んだり蹴ったり」な行為でピーポくんにぶつけていたのであった。もっとも、さすがに最後は一人の女性が「かわいそうだからやめましょうよ」と、たまりかねたような表情で諌めたりもしていたけど。

 ようやく落ち着いたところで、デモ主催者がハンドマイクで説明を始める。
 この段階で判明していた逮捕者はDJと運転手の2名。しかも運転手に関しては一応「公務執行妨害」という理由は告げられたものの、前述の通りDJについては何ら理由の提示はなかったという。いずれにせよ極めて不当な逮捕であり、主催者側はこれから札幌中央署まで抗議にいくつもりだ――といった説明がほぼ終わったところでさらに新たな情報が入り、実は逮捕者はもう1人のDJを含めた3名にのぼっていたことが知らされる。最初の1人の事件後に「なぜ逮捕されたのかわからない」と荷台から私に語ってくれた彼も、やはり捕まっていたのだ。

 どうもこのぶんじゃ、実際にはあと何人逮捕されてるかわかんないな……と思いながら主催者や主要なデモ参加者たちとともに向かった札幌中央署の玄関前まで向かったところ、案の定、やはりもう一人の逮捕者がいたことが判明した。しかも、それは私とはある意味で同業の「記者」だった。(岩本太郎)

(つづく)

The other campsite

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The other campsite
July 8, 2008, 01:29
by Inoue Shunsuke

At present the anti-G8 movement activists are camping at the Shinrin (forest) Park campsite in Toyouracho. But did you know that there is another camp site near Toyoura station?

It's the Self Defense Forces (SDF) camp in Toyoura's Kaihin (seashore) Park. There are
more than 100 tents set up for the SDF forces at a campsite about 15 mintues by foot from Toyoura station. Looking over the rows of grey tents creates almost a surreal feeling. According to a sign near the entrance of the park that says "About Restricted Use of Kaihin Park, " the Park has been rented out by the SDF from Toyouracho for a full month, June 13-July 13. The reason given is to assist in the running of the Summit.

The "assistance in the running of the Summit" they refer to is clearly to protect the Summit from anti-G8 activity. Starting from July 7, I was able to witness their trucks repeatedly setting off in the direction of Shinrin Park, with sirens blaring. The people living around the park say, "Up until yesterday they never once used the siren. It's frightening to think the anti-G8 people might finally be clashing with the SDF."

There's also a sign at Shinrin Park that says, "About Restricted Use of Shinrin Park." This campsite also was rented from Toyouracho. The decisions to allow use of the campsites in Toyoura were both made by the local government. Sure there are plenty of people who would agree with the decision, but one wonders how much it reflects the judgment of the citizens of Toyoura.

Many of the residents say their "usually quiet town is now full of commotion and disturbance." The presence of the residents caught in the middle, is something that neither the Summit
supporters, nor the protestors should forget.

国際民衆連帯ワーキンググループ 記者会見

記者会見の模様

9日午前9時半過ぎから、G8サミットを問う連絡会主催「国際民衆連帯ワーキンググループ」による記者会見が、北海道大学のメディアセンターで行われた。
声明は、今回のG8サミットを受けて、気候変動締約国会議以来さらに後退したこと、弱体化する世界銀行の気候投資基金承認の動き、食糧危機、多額の借款を含むODAの実態に懸念を表するもの。

会見場で声明を発表した人および組織は以下の通り。
○ Walden Bello (フィリピン) Focus on the Global South
○ Janet Redman (米国) Institute for Policy Studies
○ Joseph Zacune (英国) Friend of Earth International
○ Myriam Bourgy (ベルギー) CADTM (Committee for Abolition of the Third World Debt)
○ Md. Shamsuddoha (バングラデシュ) Equity and Justice Working Group Jubilee South
○ 秋本陽子(日本) ATTACジャパン

報道関係者からの質疑に対しては、市民団体の力が強くなり、IMF、世銀、WTOが弱体していると述べ、今後もG8そのものを認めない、存在を認めないという立場で抗議活動を継続していくとした。また、来年、イタリアでは数十万人規模の抗議行動が予定されていると述べた。
G8サミットによる「決定」についての批評・評価に信憑性をつけるものとして、途上国における現場での経験などの有無を問われた際には、各地で世界銀行のプロジェクトに対して抗議活動を行ってきた、と述べるにとどまり、議論を後ろ盾する背景までを表明するには至らなかった。

市民サミット2008シンポジウム「北海道発、世界の未来」

市民サミット2008 北海道発、世界の未来

 7月7日18時30分から札幌コンベンションセンターにて、市民サミット2008シンポジウム「北海道発、世界の未来」が行われた。グローバル問題と北海道・アイヌモシリの問題をつなげながら、環境・農業・地域自立のそれぞれの課題とそのつながりを考えるという主旨である。パネラーは、ミニー・デガワンさん(変革のための先住民族ネットワークプロジェクト・コーディネーター)、レイモンド・エップさん(メノ・ビレッジ長沼)、黒沢信道さん(トラストサルン釧路)、ヘンリー・サラギさん(ビア・カンペシーナ)の4名、司会は鈴木亨さん(北海道グリーンファンド)である。
 
 ミニー・デガワンさんは、先住民族からみた環境問題(生物多様性、気候変動)というテーマでさまざまな国々の事例を報告した。気候変動の問題が「科学的」に議論されるあまり、先住民族をはじめとした地域の「文化」の影響、人々の「アイデンティティ」の影響について考慮されていないことや、地球温暖化にかかわる「炭素の吸収」の問題が一部の多国籍企業の利益に回収され、土地の収奪など先住民族にかかわる深刻な問題を引き起こしていることなどを話した。 
  
 レイモンド・エップさんからは、気候変動、エネルギー問題、土壌の劣化と食糧危機に向けた非暴力の原則づくりというテーマで報告があった。今日、問題となっているさまざまな環境問題が、資源が無限にあるというアメリカ的な前提が引き起こしたものであり、その反省から、CSA(地域が支える農業)を展開することになったと話した。そして、自立した北海道を作り上げるためには、「真実を語り、不正義を告発する」ことによって、人間らしい生活を送ることが大切であると訴えた。

 黒沢信道さんは、トラストサルン釧路(サルンはアイヌ語で湿原)の活動と獣医としての立場から釧路湿原の保全と地域産業に関して報告した。国営農地開発、住宅地の拡大による釧路湿原の量的な減少と、周辺丘陵地における森林伐採、人工林化、上流での河川改修(直線化)による土砂の流入、酪農の多頭化と集約化に伴う富栄養化がもたらす湿原の質的な悪化(湖の水深が浅くなる、水草の減少、アオコの発生)が報告された。その中でトラストサルン釧路の活動(自然観察会、地元産の広葉樹の植栽など)が紹介され、地域産業と釧路湿原のよりよい関係の構築の目指していることが報告された。

 ヘンリー・サラギさんは、ビア・カンペシーナの設立経緯の背景にあった新自由主義的政策による農業の危機をさまざまな事例から報告した。例えば、WTOの理念に沿うことによる農産物の貿易自由化によって低賃金の農民の生活が破壊されていること、一部の多国籍企業によるアグリビジネスの進展がそれを後押ししていることなどである。このような状況を変えるためには、小規模農家による自立した農業が必要であり、そのための戦いを非暴力、議論によってビア・カンペシーナでは行っていきたいと主張した。
 
 全体討論では、グローバリズム化に対抗する、その地域に根ざしたローカルなしくみを作り続けていくことによって、オルタナティブな北海道のあり方が目指されるのではないかという議論になった。最後にコーディネーターの鈴木氏は「環境」という漢字の意味を次のように解釈して話をした。
 
 「環境」という文字は、環(わ)の境と書くことから、それは地域、コミュニティ、ローカルエリアのつなぎ目という意味を持っているのではないか。現在、グローバル化の問題とは、その境界がとられてしまうことによって引き起こされる問題ではないだろうか。地域、ローカルから物事を考え、自立し、連帯することで未来が見えるのであろう。
 
 1992年「環境と開発に関する国際連合会議(地球サミット)」を契機に「Think Globally Act Locally」という言葉が地球環境問題を考えるスローガンとなったが、このスローガンは同時に地球環境問題自体をグローバルに考える志向性を生み出し、ローカルな思考を拒絶することに繋がった。確かに地球規模で引き起こされる環境問題をグローバルな視点で考えることも重要である。だが、本シンポジウムで議論されたことは、グローバルな影響を受けながらもそれに対してローカルに考え、実践することの重要性であろう。「資本主義の実験場」であった北海道は、グローバリズムの影響(そこには光と影がある)をより直接的に受けるはずである。グローバリズムの波に飲み込まれるのか、もしくはオルタナティブを思考できるのか、未来の北海道を考え実践することが、日本や世界の未来に繋がるのではないだろうか。
 
(GPAM:MN)

マスコミは特権階級? 豪華なプレスキットにビックリ

(国際メディアセンター(IMC) 筆者撮影)

 ビール、天ぷら、寿司、タラバガニ。世界主要8ヵ国が集う洞爺湖サミットを取材してもらうとなると、日本政府のメディア待遇もまた違ったものになるらしい。

 7月7日~9日の洞爺湖サミットの開催に合わせ、北海道虻田郡留寿都村のルスツリゾートに国際メディアセンター(IMC)が設置された。ルスツリゾート従来の宿泊施設に加え、仮設の建築物「IMCザ・メイン」がメディアの報道拠点中枢となる。

 サミットを取材するといっても、G8首脳が会議をする洞爺湖湖畔までは車で4、50分の距離。メディアは希望する全員がG8首脳会合などの主だったサミット行事を取材できるわけではなく、一部のメディアが専用バスに乗って代表取材する。代表取材したメディアがIMCに待機する他メディアに写真や首脳発言などの情報を提供する仕組みだ。

 IMCに入場するためには外務省発給のパスが必要となる。どんな警備がされているのかは書けないけれど、とにかく厳しい。

■「こんなにくれるの?」プレスキット

 入場口をパスしてすぐ、プレスキットをもらうことができる。中身の一覧があるので紹介しよう。

 消しゴム、紙管ボールペン2本、レポート箋、クリアフォルダ2枚、テープのり、マイはし、リバーシブル風呂敷(使い方DVD付き)、メモパッド、充電式電池、USBライトの10品。

 もう一品、厳密にはプレスキットではないけれども、時計メーカーから贈呈品の名目でプレスキットと一緒に腕時計まで渡される。いずれの品も環境に配慮した技術を使っているのだとか。

■食事は無料 なんとお酒も

 IMCに一度入ると気軽に外に出ることができない。警備上の観点や施設自体が巨大であるからだ。そのためメディアはIMCで食事を摂る。施設内には「軽食スペース」や「ドリンクスペース」と呼ばれる一角が多数あり、無料でジュースやお茶などのペットボトル飲料、マフィンやケーキなどのお菓子やカップラーメンを食べられる。

 また、施設内の一部レストランでも食事が提供される。8日に筆者が訪れたときにはビールとジンギスカンが無料のイベントもあった。

 夕食時、あるレストランにはメディアの行列ができていた。記者会見が開かれるのを待っているわけではない。「タダ食い」をしたい行列だ。店員に「10人です。9人はあとから来ます」と伝える場所取り役もいる。このレストランはビュッフェ形式で、冒頭にあげたように、天ぷらや寿司などの豪華な食事が味わえる。お酒も各種が揃う。ここにも「仕事のあとの一杯」をもとめて列ができる。くどいようだがいずれも無料だ。

■たしかに便利だけれども……

 こうした日本政府のメディア待遇は、いくら国内外のメディアが多数駆け付けるとはいえ、「おもてなし」の域を越えているのではないか。「せっかくだから」と散々IMCを利用させてもらってすごく後ろめたいが、あえていいたい。――ちょっと贅沢すぎません?

※添付写真キャプション:「IMCザ・メイン」は奥の建物。環境に配慮して冷房は雪を使用(いずれも8日、虻田郡留寿都村の洞爺湖サミット国際メディアセンターにて、筆者撮影)

(JanJan 黒井孝明)

【G8洞爺湖サミット オルタナティブ】市民キャンプ地「一触即発」の舞台裏

雨のなか、集団で駅に向かうキャンプ参加者ら(いずれも7日、虻田郡豊浦町にて、筆者撮影)

 筆者らインディーズ・メディアの面々は洞爺湖近くの豊浦町に約200人がテントを張った「市民キャンプ」を訪れた。キャンプ地の入口には大手メディアと警察関係者を拒絶するゲートが。「反G8」行動を控え、緊張感漂うキャンプ地の様子を報告する。

◇ ◇ ◇

 「ワゴンが4台停めてあった。マルキはいない」。市民キャンプ地を抜け出して車で周囲を見回ってきた市民活動家の男性が声を張り上げた。「マルキ」とは機動隊のこと。話を聞いていた活動家らの顔は険しかった。

 北海道虻田郡豊浦町。人口4000人程度のこの地に「G8を問う連絡会」のメンバーなど市民活動家ら約200人がキャンプを張った。洞爺湖サミット開催に合わせ、彼らが宿営地に選んだのはサミット会場に近く、JR室蘭本線が通る礼文(れぶん)駅から車で5分の距離にある豊浦森林公園キャンプ場だ。

 7日正午ごろ、雨に濡れたキャンプ場。市民活動家らには静かな緊張感が漂っていた。午前中のミーティングで海外からの参加者が「豊浦まで電車で行って他のキャンプと合流しよう」と提案したのだ。キャンプ全体の予定にはなかった。

 キャンプ地から最寄駅のJR礼文駅までは徒歩で30分程度。木々に囲まれた途中の道には警察車両とみられる白塗りの車が各所に待機していた。「少人数で出かけては危ない。このキャンプ地を出たら、警察はたちどころに逮捕できる」。ミーティングに参加していた一同に不安が広がった。

 集団で移動した場合はどうなるか。警察はデモ行動とみなすだろう。デモ行動には関係各所への許可申請が必要だが、新提案は許可されていないデモコース約4kmを歩くことになる。

 「途中で一部の参加者が逮捕された場合、このキャンプ地はどうなる」と中年男性が発言した。キャンプ地で待機する活動家も一網打尽にされる。少数の行動が全体に影響を及ぼす。海外参加者に慎重を呼び掛けた。

 海外参加者は首を縦に振らなかった。5日の札幌デモで4人が逮捕されている。彼らの逮捕が不当であることをメディアを通じて明らかにしなければならない、と主張した。

■警察や大手メディアの進入をはばむキャンプ入口
 ミーティングは午前10時ごろに集会所で始まったが、1、2時間を経ても議論は平行線をたどっていた。彼らの集まりには司会役はいても絶対的なリーダーは見当たらない。大切なことは全体で相談し、互いを尊重することを意識して議論するように決められている。

 結局、昼食を終えてから議論の続きをすることになったが、ほとんどの人間が炊事場には行かず、集会所の前で話し合った。しばらくしてから、海外参加者がキャンプ場の出入り口へ歩き始めた。それにつられるように足音が増えていく。

 「捕まれば最低でも3週間は出てこれない。日本の人にはぜひ参加を控えてほしい」と日本人スタッフがキャンプ場出入り口に集まった日本人に呼びかけた。最終的には本人の判断に任されるのはわかっていても、言わなければならないことだったろう。「私は行かない」と女性の声。「警察にはデモではなく、遠足だといえばいい」。「警察やメディアと直接出会うまで横断幕は隠したほうがいいのでは」。次々と声が上がった。

 4、50人がキャンプ地を出発した。警察やメディアに顔を知られたくない活動家は布で覆う。横断幕は持たないことになった。雨脚が強くなっていくなか、通訳の日本人数名を交えた集団は小道に消えていった。

 筆者は「どうして参加しなかったのか」とキャンプ地に残った若い日本人男性に聞いた。「やはり危険だから」と答える。「危険なのは海外参加者よりも日本人」だからだという。筆者らがそのときいたキャンプ管理棟では、管理者が役場に“遠足”が急に始まったことを伝えていた。

 しばらくして「いまパトカーの音が聞こえなかった?」と一人が言った。「聞こえた聞こえた」と応じる声があった。

 市民キャンプの運営スタッフ中枢にいるAは常に携帯電話を握っていた。「足止めされた?」と携帯電話に向かっていう。“遠足”に参加した人間と話していた。彼らの状況を聞いている。

 どうやらキャンプ地から1kmほどの地点で、警察に道をふさがれたらしい。途中で引き返してきた活動家が詳細な状況を報告した。道をふさいでいたのは機動隊。人数はわからないが、警察は“遠足隊”が引き返すなら、誰も逮捕することはないといっている。

 いつでも出られるよう出入り口近くに車を待機させたAがテントに入ってきた。「まずいことになった。道警(北海道警察)から電話があった」。道警はデモの許可申請書を現地に持ってくるよう求めているという。また、キャンプ参加者の行動を管理できないのか、とも聞かれた。「許可申請書は出せない。出せばBとC(いずれも不詳)が責任を問われる」とAはうなった。そして携帯を握り、現地に連絡した。「絶対に手を出すなといってくれ。みんなを後方に引かせるんだ」。

 “遠足隊”は三々五々キャンプ地に戻ってきた。無事を喜び合う歓声や拍手は聞かれなかった。一度、警察車両がキャンプ出入り口に近づいたが、しばらくして戻って行った。この行動で逮捕者は出なかった。

■キャンプ地にバスで向かう途中で検問
 筆者はキャンプ地からJR礼文駅へ向かう車中、キャンプ場管理者と話をした。車窓からは道々に警察車両が停まっているのが見える。通り過ぎる車を逐一確認している様子がうかがえる。一連の騒ぎを見た彼が話したことをまとめると次のようになる。

 「雨さえ降っていなければキャンプの人たちと交流しようと思った。一人ひとりは悪い人たちではない。

 市民キャンプの話がきたときは住民説明会に40人も集まった。(デモと警察の衝突のような)こういうことを心配していた。物々しいものを子どもたちに見せたくない。

 本当は(デモではなく)礼文のきれいな自然を海外の人やマスコミの人にみてもらいたかった。豊浦森林公園はこんなにきれいなキャンプ場なんだよ、と」

(JanJan 黒井孝明)

Scallops Trump the G8

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Scallops Trump the G8

by Inoue Shunsuke

July 8, 2008, 02:45

Rebun station on the Muroran line. The Rebun harbor near the station is known as the birthplace of volcanic bay scallop farming, but there are only eight trains a day that run there and the station is calm and quiet. The Toyoura campsite is 3.5 kilometers from here.

But the area around the station seems to be missing some of the excitement that should go along with a place where activists from around the world have come to raise their voices in protest. "I know there are a lot of foreign folks around," said one of the old fishermen, "But I don't know what's going on. I'm not interested. I mean it's the scallop season right now." This
sums up the frank feelings of the local people. Though there's a large number of people staying at the campsite, most of them are using cars and buses to get back and forth, so they pass by the station without stopping. If there's nothing good that comes out of, there's also nothing bad. The station and its environs are incredibly peaceful.

On July 8, a group of activists from the campsite decided to conduct a march to Rebun station, and they were confronted by the police. Judging from the appearance of the Rebun fishermen, it seems to be nothing more than a hubbub caused by some outsiders.

But that is probably to be expected. Their life is in the work of raising their scallops, not in the decisions handed down by the G8 leaders.

Youth G8 Project 代表 インタビュー

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「市民サミット」のクロージング・セッションで、若さあふれる、歯切れの良いスピーチを行った林雄太氏に、インタビューさせてもらった。農工大学の大学院生22歳で、NGO団体A SEED JAPAN(1992年設立)の代表を務める。今回のサミットに向けて、すでに環境副大臣に提出したという「ステートメント」は、1年半の間に約7回行われた「ステーメント作成合宿」でのワークショップや議論を通して、ユースの提言がまとめられたものとなった。

林さん自身は、高校生の時に環境問題に目覚めて、それを大学の専攻分野に選んだ。大学で環境サークルに属しながら、より積極的なアクションを起こす機会を探していたところ、NGOのA SEED JAPANに出会ったという。それ以来、情報収集やプロジェクトなどを通して、積極的な活動に参加。昨年3月からは「温暖化と生物多様性プロジェクト」のプロジェクト・マネージャーも務めている。今後の活動としては、2010年に名古屋で予定されているCOP10へ向けて、さまざまな提言活動や若者への啓蒙活動を行っていくと抱負を語った。

(文:コリンズゆうか 撮影:簗瀬裕子)

市民サミット閉幕

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2008年G8サミットNGOフォーラムおよびG8サミット市民フォーラム北海道主催で、3日間にわたって開催された「市民サミット」が、札幌コンベンションセンターにて、8日に閉幕した。クロージング・セッションの行われた午後には、およそ180名前後(本記者推定)の市民、NGO団体関係者、報道関係者が参加した。閉会の辞を述べた、2008年G8サミットNGOフォーラム代表の星野昌子氏は、日本政府の姿勢に少しずつだが変化が見られるとし、それにはこうした市民による動きが少なからず影響を与えたためだろう、と充実感のこもったスピーチをした。一方で、債務帳消しの議論が出てから10年たっても、進展が見られないことなどを例に挙げ、今後も「紳士的に粘り強く」対話を続けていきたいとした。

また、クロージング・セッションには、期間中に分科会やワークショップ、セミナーなどの運営等に参加してきた14団体/個人によって、3日間を締め括るレビュースピーチが行われた。14団体/個人と議論の分野は、以下のとおり。

□ G8を問う連絡会(小倉利丸氏)
□ 市民外交センター(上村英明氏):人権・平和
□ 先住民族サミット(木幡カムイサニヒ氏):先住民族
□ ゆうばり再生市民会議(熊谷桂子氏):夕張と債務
□ Japan Volunteer Center = JVC(西岡路矢氏)
□ 日本自然保護協会 = NACS-J(道家哲平氏):生物多様性
□ 生物多様性フォーラム(山下洋氏):G8からCOP10へ
□ SANSAD/インド(Anil Singh氏):貧困と国際ネットワーク
□ 日生協保健部会(北嶋信雅):保健・医療
□ Africa Jubilee South(Noel氏):アフリカ
□ 毎日新聞(横田愛氏):メディア
□ Youth G8 Project(林雄太氏)
□ azorook(草野竹史氏):ボランティア
□ ACE(岩淵由香氏):キャンペーン

中でも特に、Youth G8 Projectによるスピーチとパフォーマンスに会場に盛り上がりが見られた。環境問題について、未来が確約されるような目標設定の必要性を訴え、「未来は黙っていても来るものではありません」とスピーチを締め括るともに、正面に集まった8名のユースが8カ国の国旗を持ち、“Is this leadership?(これ、リーダーシップなの?)”というメッセージを投げかけた。

最後には、市民サミット参加者が会場中心に集まり、配布されたうちわやパンフレットなどを振っている様子を写真撮影するという和やかな雰囲気で終了した。

(文:コリンズゆうか 撮影:簗瀬裕子)

世界を飢餓から救う方策はあるか:エンディングハンガーゲームから学ぶ

NGOハンガーフリーワールドによる「エンディング・ハンガー・ゲーム」が7月7日午後7時から札幌コンベンションセンターにて行われた。参加者は、シミュレーション・ゲームを通して、飢餓・戦争のない世界を創ることの困難を体験した。

エンディング・ハンガー・ゲームは、世界をいくつかの地域に分け、それぞれの地域を食料事情、保有金銭的資金、戦争への傾向、乳児死亡率などについて特徴づける。各地域に置かれたプレーヤーは、国連や他の地域のプレーヤーと交渉しながら自分の地域の問題を解決するようにつとめる。たとえば、地域全人口の20%分の食料供給しかないなら、残りの80%は他の地域から「購入」する、またその「購入」にあたり、経済的に富裕な地域に対して援助を請う、という具合である。他の地域担当のプレーヤーと多様な交渉をしながら、すべての人に教育機会が与えられかつ戦争・飢餓・貧困のない「世界」の創造を模索する。

NGOハンガーフリーワールドの一人、笠原さんによると、飢餓は天災ではない。全世界の年間穀物生産量は21億トン。これを世界人口で割れば、一人当たり年間365Kgの食料供給が可能となる。また全世界の年間軍事費の総額は1.1兆ドルだが、全世界で必要な食料を調達するには約380億ドルあればよい。

食料調達は為替変動など国際金融状況によっても左右される。たとえば、食料高騰の影響をもっとも強く受けるのは発展途上国である。世帯収入の50%から80%が食料に使われているからだという。また飢餓の直接的影響は子供の発育不良として現れる。さらに発育不良を経験した子供が親になると、発育不良の子供を生む傾向が高いという。こうした「飢餓の連鎖」を避けるためにも、飢餓対策が急務だという。
(GPAM DN)